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21世紀の人づくり ─ 40周年から続く私たちの長い旅 ─ 

君の将棋は今、行き詰っている。
    でも、それがいいんだ。中途半端に活躍するよりいい。
升田 幸三 
広島県出身 将棋棋士 
実力制第4代名人 

折々のことば:鷲田 清一

 行き詰っているというのは、これまでとは違う困難に直面しているということ。これまでのやり方では処理できない、もっと根本的な問題に遭遇しているということ。その意味では、今こそ将棋との向き合い方がごそっと入れ替わるような好機にあると、棋士の大先輩は後輩に告げたかったのだろう。本紙夕刊「人生の贈りもの・加藤一二三」(昨年11月18日掲載)から。(朝日新聞2017年1月23日)


 弟と一緒に始めた久留米ゼミナールも今年50周年を迎えました。よくぞここまでたどり着いたなあと感慨ひとしおです。17歳で結核を患い、虚弱体質の私は、数々の病によって仕事を中断することもあり、極めつけは1年半前、4度目の脳梗塞が原因で障害を持つ身となりました。人は不遇な時、平時でわからなかった新しい見方を見つけるものです。己の弱さを知り、謙虚に己と向かい合うことで新しい視点と世界を獲得することが多いのです。“挫折は人を成長させる”というとおり失意の時こそ飛躍のチャンスです。仕事の長期離脱にも、自信を失うことはありません。しっかり強い気持ちをもって、雌伏の時を耐え、力を蓄えましょう。


久ゼミ教育の原点 Challenge On.

 久留米ゼミナールが学校法人として認可を受け予備校として開校した1977年以来、<久ゼミの教育の原点>として受験生に伝え継がれ、今日に至っている。

 ―「何か大切なもの」を成し遂げる行為は、ある種の欲望の断念が必要です。その断ち切った欲望の量に比例して「成し遂げる」ものの大きさが測れそうです。従って欲望の渦巻く日常をきっぱり断ち切り、非日常的世界を作り出す中で、君たちの放逸と分断された欲望は、もっと質の高いひとつの欲望に集約され、目標完遂に注ぎ込む強い情熱に転換するのです。受験とは他との競争というより、人それぞれが自らに課した人生の勝負であると私たちは考えたいのです。それ故に、自らの内なる無気力や怠惰を乗り越えることにより、新しい技量と精神を獲得するのだと思います。若さの持つ無限の可能性とは、他方から見れば無経験な無力な自我にすぎないのです。だから青春は修業時代といわれ、我が「道場」は強くなるための日々鍛錬の場なのです。ここで実践されるものこそ、私たちの教育理念の発露する姿なのです。

 つまり、私たちの人生は困難に遭遇し、失敗や挫折によってしか成長しないし、人間的に大きくならないということです。人は自分の前に立ちはだかる苦難の壁を乗り越えることによって、新しい能力を手に入れてきました。これは人類の普遍的な歴史を貫く発展の法則です。かくて失敗や挫折は成長の契機でありバネであります。だからこそ人は常に挑戦し続けることによて、自らの可能性を拡げ成長するものです。久ゼミの当時のキャッチコピー“Challenge on”というのは挑戦し続けるという意味で、私たちが大切にしている精神です。“on”という副詞は、“継続する”、の意味があり、チャレンジし続ける久留米ゼミナールに集いし若者たちを支え、教師も共に成長していこうというのが、日々私たちの合言葉でありました。

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今井正雄

今井 正雄

学校法人久留米ゼミナール 
理事長

学校法人久留米ゼミナール
福岡県久留米市天神町2-56
TEL:0942-35-4970